2014年4月12日土曜日

[iRemocon] 実は日本の家電は遅れてる? [ホームオートメーション]

タイトルは少し煽り入りました。途中までは愚痴ですが、実は解決策も用意してます。

「オフィスオートメーション(OA)」という言葉はもう数十年使われており、むしろそろそろ死語になりそうな時期です。
一方、「ホームオートメーション」という言葉は、日本ではあまり聞かないものです。

私の言うホームオートメーション、とは、家電がもうちょっと自発的に、持ち主が毎回指示しなくても
一定の条件により動作してくれる事で、人間が家電を操作する手間が省けたりする事です。
家電の自動管理のようなもの。

住宅メーカーによっては、すべての家電を同一メーカーで揃えた場合に限って
これに近いことを実現しているケースもあるようですが、気軽に導入できません。

タイトルで少し煽ったのは、日本の家電がこちらの方向に一歩も進まない事にイライラしている為です。
エアコンの自動管理機能は、せいぜいタイマー、室温管理、最近では自動自己清掃くらいです。
前者2者は歴史が古いですが、みなさん満足してますか?

私が購入したこれまでのエアコンは、ONタイマー、OFFタイマーに加え「おやすみタイマー」みたいなものが付いていることもありました。が、ONタイマーとOFFタイマーを同時に設定できるものはありませんでした。
夏の夜、寝付いた後には自動で消えてほしい。朝日が出て室温が上がってきたら自動で動いてほしい。
こんな簡単なこともやってくれない。
それに、タイマーは毎回セットしないといけませんし、○○時間後、という設定のみで、他の条件を加えることはできません。
不満です。

室温。本当にちゃんと室温管理できてますか?設定した室温より寒かったり暑かったりしませんか?
不満です。

シーリング照明。最近のものは調光機能がついてますね。でもいちいちリモコンで部屋の明かりを調節したりしますか?
人間は、夜になっても明るい蛍光灯の下で生活しているために生活リズムが狂いやすいそうです。
そうなら、シーリング照明にもタイマーがついて、一定時間になったら自動ですこしずつ暗くなるようなら、寝る直前の部屋の明かりはそれほど明るくなく、健やかに眠りに入れるのではないでしょうか。

そもそも、外出先からエアコンをONできる機能、パナソニックが製品化しようとしたのを
経済産業省だかが一度ストップしましたが、そういうお役所がネックになってるのでしょうか。

さて、随分愚痴りましたが。

私は、手軽でもないが実現可能な一つの解決策を見出しました。

iRemocon
https://i-remocon.com/

この製品の導入です。学習リモコンとして紹介される事が多いのですが、毛色は全く違います。
端的に言いますと
1.家の中のすべての赤外線リモコンで操作可能な家電について、スケジュール運転、外出先からの操作を可能にする
2.家の中の赤外線リモコンを、スマートフォンで代替する(まとめる)

このような機能を提供します。機器のメーカーは基本的に問いません。

私は、会社帰りに自宅の最寄り駅に付いたら、iRemoconを使って自宅のエアコンをONにします。
自宅に付いた時には快適な状態です。

私は、リビングのシーリングライトに、iRemoconを使って、21時、22時、23時と少しずつ暗くなるスケジュール設定を行っています。お陰様でよく寝れます。

私は、寝室に赤外線リモコン付きの小さなLED照明をおいており、iRemoconによって22時〜1時まで自動でONにしています。これにより、真っ暗な寝室で手探りでシーリングライトのスイッチを
探す必要がなくなりました。予想外ですが、LED照明のみでも十分な明るさだったため、夜に寝室で使っているのはこのLEDライトのみになりました。1時より前に寝る場合は普通にリモコンでOFFするだけです。そのかわり、iRemoconのスケジュール機能で、朝目覚める前にシーリングライトをONにして部屋を明るくしています。

iRemoconには、複数の家電に順番に信号を送るマクロ機能がついています。
たとえば、オーディオ機器のように、スイッチをONにする順番が決まっている場合があります。
どちらにしろ、複数の機器に完全に同時に信号は送れませんが、マクロ機能により
1つの操作で複数の機器を操作できます。
 家に帰宅した時、部屋の照明をつけ、エアコンをつけ、TVをつけ、という、面倒な操作を毎日していませんか?iRemoconであれば、複数のリモコンに手をつける必要もなく、ボタンひとつで
一連の操作が終わります。

私は、エアコンのタイマーに強い不満がありました。
日本のエアコンは、一部の高級機種を除くと、ONタイマーとOFFタイマーは同時に使えないですね。
設定も○○時間後、ONにする/OFFにする、というシンプルな機能しか用意されていません。
IT家電だスマート家電だと騒ぎながら、この体たらくです。

が、iRemoconを使えば、細かなスケジュール運転が可能です。
ONとOFFは当然両立します。
○○時間後、という設定の他に、○○時に、という設定も可能です。
それに、曜日別の設定も(少し面倒ですが)可能です!
 残念ながら、祝日に関する設定は難しいです。

iRemoconはこれらの操作を、基本的に全部スマートフォンから行います。
スマートフォンの多くには赤外線通信機能がついていませんが、
赤外線リモコンの代わりをやらせるのに、赤外線のないスマートフォンを使うのがミソです。

利用者は、スマートフォンにはiRemoconアプリを入れます。
iRemoconは、普段、家電のリモコンの代わりとして使うものです。
iRemoconアプリでTVの電源をONにするボタンを押したとしましょう。
すると、スマートフォンからWifiの通信が飛びます。
iRemocon本体は、家庭内LANの中に設置され、この通信をキャッチすると、
赤外線信号をTVに送り、TVがつきます。
要するに、リモコンのボタン類はスマホにあり、赤外線通信装置はiRemocon本体にあるということです。

これだと、iRemocon本体がある部屋以外では、本体からの赤外線が届かず使えませんね?
ご安心を。iRemoconにはIR出力ケーブル(安価に市販されています)を2本挿せます。これを
他の部屋まで引き込めば、ケーブルの先から赤外線信号が発信される仕組みです。

私は使っていないのでどの程度のものか分かりませんが、iRemoconは画面上のボタンに
音声を割り当てておくことで、スマホに声で命令するとTVがつくとかエアコンの温度設定を変えてくれる、
という事が可能です。

スマホに入れるiRemoconアプリは2種類あります。
iRemocon (Android/iPhone)
iRemocon2 (iPhone)
後者は高機能版の有料アプリです。最近追加になった機能としては、
 「スマホがあるエリアに入ったら自動的に信号を送る」です。
自宅の近くまで来たら自動でエアコンのスイッチが入る、とかが可能ですね。


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iRemoconは、LAN経由で命令を受取って、それにしたがって赤外線信号を発信しますが、
その仕様が公開されています。よって、少し技術のある方であれば、さらなる応用が考えられます。

Raspberry Pi
https://ja.wikipedia.org/wiki/Raspberry_Pi
という超小型、超格安のPCがあります。
これに各種センサーを取り付け、センサーの状況によってiRemoconへ命令を送る。
スマホにもiRemoconにも気温計や湿度計がついていないので、これらをトリガーに
エアコンを操作する事はできていません。
その代わりに、Rasberry Piに気温計や湿度計を取り付け、一定の条件になったらiRemoconへ命令を送るようにすれば・・・

先ほど曜日別スケジュールは可能だけど祝日対応していないと書きました。
そもそもiRemoconには曜日別スケジュール機能が搭載されていません。
「できる」と書いたのは、○○日から7日毎に実行、というスケジュールを各曜日分7本つくれば
曜日別スケジュール機能と同等の目的が実現できるからです。

が、Raspberry Piでプログラミングしてあげれば、より高度な、ある程度祝日対応もできる
スケジューラを組めるでしょう。

財布の中にICタグを入れておき、玄関にICタグリーダーを設置しておけば
外出時、帰宅時の家電の電源ON/OFFは全自動で可能かもしれません。

高齢者支援のためにもいろいろ役立つと思います。

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残念なのは、このような目的達成のための手段が、iRemoconのような
ニッチな製品だよりなことです。
iRemoconを作っている会社は
https://glamo.co.jp/
ですが、家電業界の中での発言力は大きくないでしょう。

欧州家電業界では、このようなオートメーション化は既に規格化が進んでいるようです。iRemoconに相当するようなもっと高機能な機器をホームゲートウェイとして設置し、そこが家電の司令塔となるようなイメージ。ホームゲートウェイは、家の中の様々なセンサーや人間からの指示、設定に基づいてすべての家電に指示を出すわけです。それらに組み込まれる機器の間の通信がうまく行かないといけないので、業界をあげて規格化しているというわけです。

日本の家電業界のIT家電、スマート家電とは随分方向性が違います。
私は「スマホでタッチすれば、洗濯機が洗剤と柔軟剤の量を選択してくれる」機能を搭載して
「スマートフォンと家電の連携だ!」「スマート家電だ!」というのは方向性がズレていると思っています。

 このままでは本当に日本の家電は終わるのではないでしょうか。

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2014/4/13追記
こんな記事を見つけた
<IT革命第二幕 ~e-Japanのゆくえ~>第2章 19.家庭のIT化
http://biz.bcnranking.jp/article/serial/it_rev2/0201/020114_61408.html
2002年の記事だ。12年も前にこういう試みをやっているのに、2014年になっても何も実現していない。
「家庭ではこれまでほとんどIT化が進んでいなかった。それで多くの人が別に困っていたわけではないので、家庭のIT化といってもその実感を味わいにくい面がある」(経済産業省商務情報局情報通信機器課・井草真言課長補佐)。
このコメントが酷い。やっぱり経済産業省がネックなのか?



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